飛騨市教育委員会がこの度、「第3回日本城郭協会大賞」(主催:公益財団法人 日本城郭協会)の「調査・整備・活用賞」を受賞しました。
姉小路氏城館跡の総合調査を行い、遺跡としての価値を明瞭にした結果、国指定史跡「姉小路氏城跡」として指定されたことを評価されました。
姉小路氏城跡は古川城跡、小島城跡、野口城跡、向小島城跡、小鷹利城跡という五つの城跡の総称で、飛騨市古川町などにあります。
平成30年から実施した調査の結果、中世に飛驒国司となった姉小路氏が古川盆地を囲む山上に築き、後にこの地に進出した三木氏や、羽柴秀吉の命を受けて飛驒を統一した金森氏による改修跡も残っていることが判明しました。飛驒地域の歴史的な変遷を物語る山城群と言えます。
令和6年2月21日、その歴史的価値が評価されて国史跡に指定されました。
姉小路氏城館の緻密な調査により山上居館、畝状空堀群の構築過程、織豊系城郭への改修過程等を解明し、遺跡としての価値を明瞭にした結果、国指定史跡として認定されたことを評価する。
詳しくは、日本城郭協会のホームページ<外部リンク>をご覧ください。
城郭文化の振興に貢献した団体および個人を顕彰する制度で、今回で3回目の実施です。
今回、飛騨市が受賞した「調査・整備・活用賞」は、城郭管理者として特筆すべき成果を挙げた自治体等を顕彰するもので第2回から創設されました。
姉小路氏城跡は一つ一つは比較的小さな山城ですが、発掘・文献・測量・歴史地理といった手法で細かく調査をしたことで、さまざまなことが明らかになり、飛騨地域の歴史を語る上で欠かせない山城群であることが分かりました。中世から近世に至る城の変遷が分かることは、当時の日本国内の地域支配の在り方の縮図とも言えます。
今回受賞をいただいたことは、これまでの調査の積み上げと同時に地元をはじめとする多くの皆さんのサポートによるもので、大変嬉しく思っています。今後も、この大事な遺産を皆さんと一緒に将来に継承しつつ、山城のすごさを体感できるように整備活用を進めていきたいと思いますので、引きつづきよろしくお願いいたします。
4月13日より、街なかポケットミュージアム「飛騨古川の戦国武将と山城展」を開催します。是非お越しください。
同時に史跡に追加指定された傘松城跡の企画パネル展も行っています。
調査成果の詳細な報告書は全国遺跡総覧<外部リンク>より入手できます。
史跡指定に関する記事はこちらの飛騨市ホームページをご覧ください。
令和5年に開催した企画展「姉小路氏城館跡と飛騨の中世」の内容はまるごと飛騨市ホームページでご覧いただけます。