岐阜県史跡・杉崎廃寺跡

発掘で全貌が明らかになった飛騨で唯一の古代寺院

杉崎廃寺跡は古川国府盆地の北西隅、岐阜県飛驒市古川町杉崎に位置します。古くから田んぼの中に整然と並ぶ金堂礎石と、二重孔式の塔心礎が知られていました。平成3~7・22年度の発掘調査により全貌が明らかになり、7世紀末に創建され、小規模ながら主要堂塔を備えることが判明しました。
伽藍中枢部は、中門・金堂・講堂が一直線に並び、金堂の東に塔、その背後に鐘楼を配置しています。これらを区画する掘立柱塀は、中門から講堂までを方形に囲みます。出土した瓦が少量だったのと檜皮が見つかったことにより、建物群の屋根は檜皮葺であったと判明しました。さらに杉崎廃寺跡を特徴づけるのは、伽藍全面に施された玉石敷きです。その荘厳さは、飛鳥の宮殿遺跡を彷彿とさせ、伽藍の清浄さを保つためのものだったのでしょう。
講堂の背後には寺院に付属する掘立柱建物群が見つかっています。これらは寺院に付属する僧坊や食堂などであったと考えられます。これら僧坊域も掘立柱塀で区画され、その外側にもいくつかの柱穴が見つかっています。これらも寺院の付属雑舎群だったのでしょう。このように、杉崎廃寺跡は主要堂塔に加え、僧坊・食堂など寺院経済を支える多くの建物がその周囲に存在していたと想定されます。最終的に寺院は8世紀末頃に火災により焼失し、その役目を終えました。
以上のように全貌が明らかになっている杉崎廃寺ですが、今後の課題は南大門の有無など、南側の様相です。今後の調査による解明が望まれているところです。

杉崎廃寺全景

杉崎廃寺全景

伽藍配置図

伽藍配置図

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